ベトナムブログ

ベトナムにまつわるブログ。現地新聞やニュースサイトから気になるニュースを取り上げます。ベトナム留学2年。通訳・翻訳。関心分野はベトナム消費市場、労働力輸出(技能実習生制度含む)、訪日インバウンドなど

★ベトナムの出生時男女比〜異常な男児増によるアンバランス〜

★ベトナムの出生時男女比

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 現在ベトナムで大きな社会問題となっているのが出生時男女比の不均衡。出生時男女比は自然の摂理にまかせた場合、女児100に対して男児が105前後が一般的と言われており、日本の出生時男女比は2014年で105.08(男児52万7657人、女児50万2159人・厚生労働省人口動態統計より)。この比率は一世紀以上大きな変動がないそうです。一方ベトナムはこの出生時男女比が112。一部地域ではこれ以上の数値となっており、比率の歪みが深刻化しています。

 不均衡を引き起こす大きな原因は(1)男が家を継ぎ、両親を供養するという男系主義の考えが根強く、多くの夫婦が男児を欲しがる(2)そうした中で政府が人口抑制策「2人っ子政策」を推進。科学技術の進歩により、出産後早い段階で性別を判断する手立てが確立されてきたこともあり(現在ベトナムで男女産み分けを目的とした中絶は非合法)選択的に男児を生む人が増えた、ところにあります。

 法律上産み分けを目的とした中絶は禁止となりましたが、現在も利用者から多額の現金を受け取り、隠れて実施する病院もあります。またベトナム人から男児を授かるための生活・行動を指南する専門相談所が存在するという話も聞きました。

 この男女比不均衡により、2050年には230万〜430万人のベトナム人男性が結婚できなくなる恐れがある、との予測も出ています。あるベトナム人の友人は「こうなったら女の子を産んだ方が私も安泰ねー」と無邪気に笑っていましたが、人口構成は社会の発展にも直結する問題なだけに、ベトナム政府もさらなる改善策を講ずる必要がありそうです。

 男女比不均衡は日本人にとって身近に感じにくい問題ですが、人口大国の中国やインドでは、国の将来を左右しかねない深刻な社会問題となっています。同問題について詳しく知りたい場合は、以下の本がおすすめです。

◉女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ(2012/6)

Amazon.co.jp: 女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ: マーラ・ヴィステンドール, 大田 直子: 本

<内容メモ>

2016年、ハノイでは出生時男女比(男児:女児)が114:100の見込み

・2016年の国の家族計画化計画によると出生率は前年比0.1%減第三子以上の出産は同0.1%減妊娠中の女性による出生前検査(胎児スクリーニング)を受ける割合は72%先天性代謝異常検査(新生児スクリーニング)を受ける割合が82%、避妊の選択肢をとった人が32万4665人。

現在のハノイの出生時男女比は100:114.5で全国平均の100:112.7よりも高い。

・ハノイ内でもソクソン区、タックタイ区、フースエン区、バービー群、トゥンティン区は特に不均衡が進んでおり、100:120を超えている。